日本民謡ガイドブック

民謡ガイド⑩ 東京音頭 〜歌詞、解説、意味〜

民謡は難しくないし、古臭くない!日本に伝わる民謡を一曲ずつ解説していきます。第10弾は東京音頭。

盆踊りの定番曲、東京音頭。メロディを聞いたら、ほとんどの日本人が「知っている!」と思うのではないでしょうか。この曲は昭和8年につくられた新民謡です。作詞者の西條八十は、「どうせ書くなら、ひとつ東京全市を賑やかに踊り狂わせる、たとえば阿波の阿呆踊のようなものを書いてみたい」と思ったといいますから、にぎやかで心躍る曲なのが頷けます。

児玉宝謹の寸評

♪ハア~踊り踊るな~らチョイト東京音頭ヨイヨイ!

昭和初期に作られたこの新民謡は現在、東京ヤクルトスワローズやFC東京の応援歌として活用されているほど、幅広く息の長い、稀有な民謡であります。

民謡の楽しみ方

 

こんなに愛されて~

作者もさぞ冥利に尽きるでありましょうなぁ~
 

 

歌詞を読んでみよう!

「ハアー」踊り踊るなら「チョイト」東京音頭 *ヨイヨイ
花の都の 花の都の真ん中で(サテ)*ヤートナソレ ヨイヨイヨイ ヤートナーソレ ヨイヨイヨイ
「  」花は上野よ「  」柳は銀座 * 月は墨田の 屋形舟 (  )「  」
「  」幼馴染の「  」観音様は * 屋根の月さえ 懐かしや(  )「  」
「  」西に富士の嶺「  」東に筑波 * 音頭とる子は 真ん中に(  )「  」
「  」よせて返して「  」返してよせる * 東京繁盛の 人の波(  )「  」

詳しい解説

東京音頭は昭和8(1933)7月、作詞西條八十、作曲中山晋平、歌小唄勝太郎、三島一声、発売元ビクターレコードで世に出た新民謡である。

だが、前年の昭和7年に、西條八十、中山晋平の同じコンビで、やはりビクターレコードから歌藤本二三吉、三島一声それぞれ片面づつ吹き込んだ「丸の内音頭」の焼き直しである。

当時は、“踊り踊るなら 丸くなって踊れ 踊りゃ心も 丸の内 ヤットナ ソレ ヨイヨイヨイ” だったが、これらほか十首を現行の歌詞に改めたところ大当たりし、この年だけで30万枚も売り上げた。以来、盆踊り唄のない東京旧市内の市民のための盆踊り唄として、現在でも唄い踊られている。

演奏の難易度とポイント

構成:三味線。唄。囃子。櫓太鼓。踊り。

レベル:2/5

もう言わずと知れた東京音頭! 前奏のフレーズは鹿児島小原節に似ていますが、鹿児島小原節が♪ソミソソなのに対して、東京音頭は♪ソレソソ という違い。あとビミョーに、鹿児島小原節のほうがテンポが早いですね。まぁ前述のように、応援歌として歌われるなら、テンポは無限に速くノッていったりしますが(笑)

ただ、これが流行った背景には、大東亜戦争へ突き進む不穏なムードを、踊って打ち消したいという心理が働いていたように思います。往々にして、歌は好景気時に流行り、踊りは不景気時に流行るもの… 

現存の殆どの民謡は、江戸時代中期、太平の御代に大量発生し、幕末には「えじゃないか」が大流行。大正浪漫という独特の気風の頃が新民謡ブームで、その後の昭和初期がこの東京音頭。かたや高度経済成長期には民謡ブームがあり、バブル崩壊後とデフレ景気時には河内音頭と現代よさこいと。

決して踊りを揶揄しているわけではありません。歌と踊りはセットですが、機嫌がいいと鼻歌でも歌いたくなり、心にウサがあると身体を動かしたくなるのは、人間の心理だそう…ならば今後は世情に関わらず、共に芸術の域に達する昇華を遂げたいものだなぁと、思うのであります。

 

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