日本民謡ガイドブック

民謡ガイド54 古調津軽あいや節 ~歌詞、解説、意味~

民謡は難しくないし、古臭くない! 日本に伝わる民謡を一曲ずつ解説していきます。
都道府県シリーズの第5弾は「津軽シリーズ全12曲」。
前回の津軽あいや節の元の姿、古調津軽あいや節です。

児玉宝謹の寸評♪

本来の津軽民謡とは、こういうテイストなんだろうかと思います。哀調を帯びて、切々と・・・城下町はともかく、少し離れると、荒涼とした大地、それも寒くて、貧しくて、なぁ~んにもない・・・前々回の嘉瀬の奴踊りは、それに暴君の悪政も加わった挙句、それをヤケクソの逆バイアスで跳ね飛ばす感じですが、こういう土地に暮らす人々の心情は、この民謡のような暗く寂しいものではないでしょうか?まだ、唄を創作する&それを受け継いでいくという文化的な営みがあるだけ、素晴らしいと思うし、人々の強さも感じます。この唄の根底に流れる、そんな津軽の人々の生きざまを、この唄から感じ取って頂ければと思います。


歌詞を読んでみよう♪

「アイーヤーナー」
佐渡の島から 新潟見れば「ヨー」
心新潟に「それもよいや」 身は佐渡に

「    」
あいや新潟の 川の真ん中で
あやめ咲くとは「  」 しおらしい

詳しい解説♪

青森県民謡。津軽五大節のひとつ津軽あいや節の元の姿であるため、古調の名を冠している。
「あいや」は、ハイヤが訛ったものと言われている。熊本県牛深地方で発生した、酒席の騒ぎ唄に端をを発するハイヤは、船頭たちによって各地に伝搬しながら、徳島県の阿波踊りや新潟県のおけさなどになるのだが、更に日本海を北上して伝わった最北端は、実は庄内ハイヤ節までと言われている。そこから津軽に入ると突然、情緒的な味わい深い唄に変化した。これが古調津軽あいや節なのである。
現在の津軽あいや節なら、元が騒ぎ唄だと想像もつくだろうが、この古調を聴く限り、また前述の経緯からも、ハイヤとの直接の関連性を否定する説が一部にあるというのは、あながち頷けなくもない。
とはいえ、北朝鮮などから流入してこの地域に根付いていたとされる三拍子系に、ハイヤ独特の弾み調子が重なり、更に津軽らしい哀調が加わって、静かに語るように唄われるこの古調の存在は貴重で、密かな愛好者も多いようである。

演奏のポイント♪

この曲は純粋に、津軽三味線の弾き唄い一択、つまりソロです。そしてそれは、特に民謡らしい甲高い声を張り上げることもなく、伴奏も、曲弾きのような高難度テクニックが必要なわけでもありません。
唯一必要なのは「哀調さを醸すこと」。先ず三味線は、可能なら皮の緩んだ、いわば割れる寸前のようなボン付いた音のするものを選んで下さい。撥も可能なら木製がいいです。そして唄い手さんは男性で、まるで人生に疲れたような感傷的な心情の方w まぁつまり、そういう表現力が必要ということです(本当に凹んでたら唄なんて唄いたくないですからw)
寸評でも申しましたように、荒涼とした何もない、しかも寒い土地で、誰に聴かせるでもなく、ただただ切々と唄うのがポイントだと思います。

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